灯りの消えたこの部屋に
突然電話が鳴り響く
リーン、リーンと6回鳴って
ぷつりと消えた
さて、今のアナタは誰なのか
投げ出したままの仕事の催促か
暇をもてあます悪友達か
田舎の両親か、同郷の友か
それともなつかしいあの人か
アナタの声が気になるけれど
ひとときアナタに耳かせば
なにか気のきいた言葉でも
用意せずにはいられない
アナタの声が気になるけれど
そのうち便りをよこすから
ひとまず今日はこの夜は
そっとひとりでいたいだけ
アナタの声が気になるけれど
今では果たせぬ想いなら
せめて一夜の憂鬱を
眠り過ごしてしまいたい