7月1日。とうとう「集団的自衛権の行使」容認の閣議決定が出されてしまいました。この国のあり方が根本的に変わってしまうかもしれない、分岐点となった一日...。悶々とした気持ちを抱えながら一日の仕事を終え、どうしようかと迷ったけど、やむにやまれぬ想いで官邸前へ向かいました。抗議行動とか、自分が胸を張ってできることは何もないけど、せめてこの状況に立ち会っておきたいと思ったので。
「国会議事堂前」の駅を出た時点から人がぎっしり。すごい熱気。想像してた以上に大変な数の人が詰めかけていて、胸が熱くなった。来てる人たちは、老若男女さまざま。若い人、特に女性が多かったのが印象的。親と一緒に子供たちもたくさん。仕事帰りに駆けつけたサラリーマンの姿も多数。自分もそうですが、はじめて抗議デモに参加した人多かったのでないでしょうか。 最初は一人でちょっと心細かったけど、あの大変な人混みの中で、ばったりと友人のミュージシャンに出会えたり(笑)。同じような想いで駆けつけた人が大勢いるんだろうなぁって感じることができました。
集団的自衛権の是非については、もちろんいろんな考え方があるでしょう。でもそれ以前に「解釈の変更」という姑息なやり方で、平和主義の基本精神に則ったこの国の憲法が勝手に改変されてしまうことが何より許せません。立憲主義に基づく国あり方の根幹を問われる問題です。
去年、ポーランドのアウシュヴィッツ博物館に行った時、ガイドの中谷さんが、「どうしてこのような残虐なホロコーストが起こってしまったのか・・・それはヒトラーが悪だったからということではない。私たちが見て見ないふりをして何もしないこと、黙っていること、無関心でいること。そういう態度こそがこのような事態を生み出すことの根底にあるのです。」という話しをしてくれたのが強く心に響きました。たとえ小さな声でも、ここぞという場面では勇気出して行動していかなければ・・・と、それからずっと思っています。
デモ活動に慣れてる感じの人ももちろんたくさんいたけど、そうでない普通の人の方が大半でした。じっと黙ったまま官邸側を見つめて立っていた人もいたし、いたたまれない想いで、はじめてシュプレヒコールを叫んだ人もいたことでしょう。いろんな人のさまざまな想いがそこに渦巻いていました。単調な罵声の連呼にはちょっと辟易したけど・・・やっぱり行って良かったです。
恣意的な判断と姑息な手法で、強引に舵はきられたしまったけれど、今日ここに、とんでもなく多くの人が抗議の声を上げたことは、将来の何かしらの糧になるのだと信じたいです。