EUフィルムデーズ2014のラインナップ、ポルトガルの映画「バロン」を見てきた。監督はエドガル・ペラ。2011年の制作だけど全編モノクロ作品。1930年代のゴシック調な恐怖映画の手法をリバイバルしつつ、実験的で独創的な映像表現を追求した作品。恐怖映画というより、デビッド・リンチの悪夢のシーンが2時間延々と続いているような世界でした。非常に濃密で難解・・・。正直、なかなか観るのに体力要ります。でも時間経ってから、苦々しくも心地よい悪夢だったような感触。吸血鬼をモチーフにしていますが、ダイレクトには描かれてはいないので、ポルトガルの歴史を踏まえて象徴的に捉えるべきなのでしょう。またこの監督の作品を観てみたい。