バルト三国の旅2011(その5) 〜タリン旧市街を歩く(1)

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少し遠回りをしつつも、無事にこの日の宿に到着。旧市街の北東側エリアにあって、とても便利なロケーション。素泊まりの安宿なので外観はかなり古びてましたが、部屋の中は意外に奇麗。は家具やベッドカバーなど良いセンスで統一されてて、なかなか心地よい部屋でしたよ。
★OldHouse Hostel→ http://www.oldhouse.ee/tallinn-hostel

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部屋に荷物を置いてひと休みしたら、もういても立ってもいられず、再びカメラを持って一人で旧市街の散策へと繰り出しました。

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これは旧市街の東南側にあるヴィル門。この門から西に行く道がこの旧市街のメインストリートになるそうです。この門の向こう側は、四角くて真新しい建物が立ち並ぶ現代の風景。こっち側は、まるでどこかで時間が止まってしまったかのような情緒ある古い街並。その対比が面白かった。

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タリンの街を印象づけるは、何といってもこの石造りの城壁と赤い三角屋根の塔。旧市街では周りを見渡すとどこかしらの方角に、この城壁の塔を見つけることができます。タリンは、1219年にデンマーク人によって建設された都市。列強がせめぎ合う情勢にあって、街全体を囲う強固な城壁が築かれました。13世紀から城壁の建設が開始され、現在残っているものは14〜16世紀に造られたものなのだそうです。

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地図を持たずに出てきたので、行き先を考えず、気の向くままに歩いてみました。路地を曲がるたびに街の表情が変わり、「うわぁ」と、ひとりで感嘆の声を上げながら。

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そして、迷路のような路地を奥へ奥へと歩いていたら、こんな素敵な通りを見つけました。通りの両側には歴史の深さを感じる、とても風情のある建物。あとで知ったのですが、ここは「カタリーナの通路」と呼ばれている通りで、旧市街で一番美しい場所と呼ばれているそうです。ゴツゴツした外壁の建物は13世紀に建てられた「ドミニコ修道院」。私はこの通りの雰囲気がすっかり気に入って、しばらくその通りを行ったり来たりして過ごしました。

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そして、ふと横を見たら素敵な陶器が並んでる部屋が見えました。そこは「カタリーナ・ギルド」という工房で、女性アーティストたちが自ら運営している、ギャラリー兼アトリエ兼ショップだったのです。非常に個性的でコンテンポラリーな感覚の陶器ばかり。その一つ一つに存在感があって素晴らしいものでした。
私は感激してしばらく作品に魅入っていたですが、その隣接した工房スペースで、おそらくその作品のつくり手であろう人たちがケンケンガクガクの熱い議論の最中。ちょっと話を聞いてみたいと思ったのだけど、そんな雰囲気ではなかったので(苦笑)、翌日出直そうと退散してしまいました。(→しかし翌日行ったときお店が閉まっていて、すごく残念。気に入った魚のオブジェを、どうしても買いたかったのに...)

ショップは隣接する三軒に分かれていて、陶器だけでなく、ガラス製品や皮細工、織物、ステーショナリー等いろんな手づくり製品を扱っていました。
★Katarina Gild→ http://katariinagild.eu/

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多くの観光都市と同様に、タリンの街にも観光客向けのお店がたくさんあるのですが、店主のセンスの良さを感じるお店が多く、思わず手に取ってみたくなる可愛い小物がたくさん。装飾品や雑貨などに関しては、バルト三国の中ではエストニアが一番レベルが高い印象でした。クラフトとアートの距離がとても近いようにも感じました。

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石畳の道。赤い三角屋根。空高くそびえる鉄塔。少年の頃から、ずっとずっと憧れていた夢のような光景。こんな景色の中を、ひとりでぶらぶら散歩できる日がくるんなんて...。言葉にできない感慨が込み上げてきました。。小一時間程のちいさな冒険でしたが、「カタリーナの通路」と「カタリーナ・ギルド」に出会えて大満足。とりあえず、迷子にならず宿に戻れてよかった。。〈続〉