洗練された都会という印象のリガですが、街を離れて郊外へ出ると、こんな感じの長閑な田園風景が広がっています。
この日の目的地は、"バルトのヴェルサイユ"と称せられる「ルンダーレ宮殿」。リガからラトビア南部のバウスカという町まで、バスで約1時間半。バウスカのバスターミナルから、バスかタクシーを使って15〜20分くらいの距離です。私たちは次のバスを待つと時間のロスが大きかったのでタクシーを使いました。
土煙の立つ荒い舗装の道をタクシーはすごいスピードで走り、運転手が「ここだ」と言って私たちを降ろしてくれた場所は、周りをぐるりと見回しても何もない田舎。。。「ここが??」と疑ってしまうような場所なのですが、確かにそこが宮殿への入り口でした。低い緑の塀の向こう側には、まったく違う世界が広がっていたのです。
手入れの行き届いた美しい庭園をしばらく歩いた先に、壮観たる「ルンダーレ宮殿」がその姿を現しました。
ルンダーレ宮殿は、ロシアの女帝アンナに愛されたビロン公のために夏の宮殿として建てられたもの。建設中にビロン公がシベリアに流刑になってしまうなどの紆余曲折がありつつも、およそ30年もの歳月をかけて、1768年に宮殿が完成しました。
宮殿内部は、贅を尽くした豪華絢爛な世界!上の写真は貴族の式典などが執り行われた「黄金の間」。なんとまぁ、きらびやかな世界なんでしょう。。
こちらは舞踏会などに使われた「白の広間」。ロココ様式の漆喰彫刻が美しい。部屋全体は優美で落ち着いた雰囲気です。
左が「薔薇の間」で、右は「公の寝室」。ひとつひとつの部屋はそれほど大きくないのですが、2階建ての宮殿には全部で138の部屋があるそうです。趣向の違うそれぞれの部屋に入る度に、その豪華絢爛さに目眩がしそうになります。。
左の写真は「公婦人のトイレ」なのだそうです。便所でさえこの豪華さ!
宮殿の地下にも展示室があります。詳しい内容はよくわからなかったのですが、地下室から発見された石碑や石棺の一部などが展示されていたようです。
この宮殿は後年の戦争等で破壊されてしまったため、すべて近年になって再建されたものです。この地下室の展示品はおそらく、破壊を逃れた往時の宮殿の遺跡なのだと思います。私にとっては豪華絢爛な装飾より、素朴な魅力を宿したこれらの地下の展示品の方が興味深かったな。
地下の売店で売っていた、かわいい動物たちのろうそく。買っておけば良かった。。
ちなみに、宮殿内には超高級そうなレストランがありましたが、予約をしてないとダメらしくて門前払いでした...(涙)。もしかしたらドレスコードがあったのかもしれません。宮殿内レストランとは別に、食事&休憩ができるお店の建物が敷地内にあります。
というわけで、まったく期待せずに中に入ってみたら、店内は思いがけず素敵な雰囲気。そして、ここの料理がとっても美味しかった。うれしい誤算。。
この「BAUSKAS ALUS」というビールがとても美味しかった! バウスカに鋳造所があるビールで、1981年の創業時はコルホーズの一環だったらしいです。
リガへのバスでの帰り道、窓から遠くにバウスカ城が見えました。
ルンダーレ宮殿へは、リガから日帰りで行くことができます。リガ〜バウスカ間のバスは頻繁に出ているのですが、バウスカ〜ルンダーレ宮殿のバスは本数がかなり少ないので、事前に調べておいた方がいいと思います。〈続〉