タリンでの最後の晩餐は、前日に歩いたカタリーナ通りにある「KLOOSTRI AIT」というレストランに行ってみることにしました。このお店のことは、ラトビア在住の日本人ご夫婦に教えていただたのです。扉のガラス窓から中を覗くと、客は地元の人ばかりなう雰囲気で、正直すごく躊躇したのだけど、思いきって入ってみました。
★KLOOSTRI AIT→ http://www.kloostriait.ee/(すごく素敵なHPです!)
店内は外から見るよりもずっと広くて、こんな風に大きな暖炉があったり、各テーブルにはロウソクの灯りが置かれていて、とても落ち着いた雰囲気の素敵なレストラン。次々とお客さんが入ってきて、すぐにお店は満席に。
そしてこれが注文した料理。サーモンの入ったクリームスープとチキンのサラダ、そしてベジタブルなラザニア。すっごく美味しそうでしょう?? ...ところが一口食べてみると、なんというか...ひと味足りない感じ。料理と一緒に運ばれてきたソルト&ペッパーのミルで、思い切りよく塩気を足したらまぁまぁな味になりました。ただ、食べながら思ったのは、観光客向けのお店では誰でも美味しく感じるように、少し濃いめの味付けにしてあって、実際はここで食べた料理のようにちょっと素っ気ない味付けの方がスタンダードなのではないでしょうか。そうでなければ、こんなにも客が賑わうわけはないのですから。その土地ならではの味を体験してみることこそ、旅の何よりの醍醐味ですよね。
食事を楽しんだあと、ラエコヤ広場の方へと歩いていたら、突然大勢の人垣に遭遇。なんだろう・・・?と、肩越しに向こうを覗き込むと、中世の世界から抜け出してきたような人たちが輪になって踊っているではありませんか!
古楽の調べと伴に輪舞を踊る様子は、まさにおとぎ話のよう! 中世の美術や音楽にずっと憧れていた自分にとっては、本当に夢のような光景でした。。
輪舞が解けたあと、高貴な衣装を着た男性(村長という設定なのかな?)が若い男女に向かって、なにやら書面を読み上げているパフォーマンス。結婚式か何かの儀式をやっている様子でした。
真っ白な衣装を着た美しい乙女が、多くの人の視線を集めていました。本当に妖精のような可憐な美しさ...。あまりの美しさに見惚れていたら、いつの間にか連れとはぐれていました(笑)
ひとつ隣の広場では、先程の中世の世界から打って変わって、旧市庁舎の壁を巨大なスクリーンに仕立てた光と音のショーが繰り広げられていました。ミニマルな音と連動しながら、丸い光が生き物のように動めいていきます。ショーというより、コンテンポラリーのアートパフォーマンス。タリンという街は、古い文化と現代的なものが非常にうまく融和された素晴らしい文化を持っていると感じました。
街頭のあちこちで、いろんな人たちが思い思いの音楽を奏でています。このままずっと一晩中音楽が鳴り響き、人々は酒杯をかかげ、陽気な歌をうたい終わりのない輪舞を踊る...いつまでもいつまでも続く迷宮のカーニバル......そんな美しい幻想に誘われる夜でした。〈続〉