クロアチアの旅2012(その11)

【クロアチアの旅(その11):トロギール旧市街(1)】

アドリア海に沿って走る幹線道路を、路線バスは南へと走る。途中、海に沈む大きな夕陽がきれいだった。。海側の席に座れなかったので、これは内陸側の車窓の風景。

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トロギールまでは、車で1時間くらいの距離。6時前にシベニクを出たはずなのに、この日は渋滞もあったりで、結局バスターミナルに着いたのは夜の7時半くらい。旧市街へとつながる橋の周辺には、たくさんのバイクや車が行き交い、これからどこかへ繰り出そうとする若者たちが次々と集まっていました。

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この中央の古い石造りの門が、トロギール旧市街の入口である「北門」。トロギール旧市街は城壁で囲まれた小さな島で、街全体が世界遺産に指定されています。私たちが泊まる宿は、この旧市街の中心部にありました。

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門をくぐって旧市街に足を踏み入れると......そこはまるで中世の時代で時間が止まってしまったかのような世界。古い石造りの建物が醸し出す濃厚な陰影が、歴史の深さを物語っています。この街の強烈な個性は特別なものでした。

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しかし、街の情緒に酔いしれてる場合ではありません。用意して来た地図はまったく使い物にならなくて、宿に辿り着けないのです...。細い路地が入り組んでいて、行き止まりの路地も多く、いつの間にやら方向がわからなくなってしまう。おまけに、この凹凸の激しい石畳を、重い荷物を持って歩くのが大変。スーツケースのキャスターがガタゴトと悲鳴を上げて跳ね回る。。

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地図を片手に困っていたら、ふと、店先に立ってたおばさんが声をかけてくれました。

「どこへ行きたいの?」「ここなんですけど..(宿の名前を見せる)」
「あぁ、×××さんのところね。それならこっち!」

下町の肝っ玉母さんのような風格のおばさんは、屈託のない笑顔を見せながら探していた宿まで一緒に歩いてくれたのです。こんなちょっとしたやりとりに、この街に住む人たちのゆるやかな連帯感と人情味の深さを感じました。

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探していた建物は通りから少し奥まっていて、あのまま自力で探していたら一時間かけても辿り着けなかったでしょう。。

どうにか宿へ到着できて一安心。オーナーファミリーがあたたかく迎えてくれました。家の一室を間借りさせてもらったうような、アットホームな雰囲気の部屋。ベッドの上には、アングルの「グランド・オダリスク」が飾ってありました。なかなかいいセンス。

★Rooms Stipcic → http://www.booking.com/hotel/hr/rooms-stipcic.ja.html

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部屋で少し休んでから、再び夜の街へと繰り出しました。最初はちょっと不気味に感じてしまった石畳の街並も、あらためて歩いてみると、その裏路地のひとつ一つに生活感があって味わい深い。街の観光の中心地であるイヴァン・パヴァオ・ドゥルギ広場には、歴史的な建造物が建ち並び、たくさんの観光客で賑わっていました。

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海側にある「南門」を抜け出ると、旧市街の中とはがらりと空気が変わります。こちら側は南国ムード漂うロマンチックな港町の景観。海岸通りを照らす街頭が、幻想的な光を醸し出していました。

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トロギール旧市街は東西に500メートル、南北に300メートル程度のこじんまりとしたエリア。街を一周してだいたい様子がつかめたところで、やっとこの日の夜ご飯。

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街の中心部には美味しそうなカフェやレストランがひしめいています。あれこれ悩んだ末に選んだのが「Konoba TRS」というシーフードのレストラン。店内の一部がテラスのようになっていて、中央には本物の葡萄の木が枝を伸ばしていました。

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せっかくの高級そうなレストラン。少し奮発して手の込んだものを食べたいと思ったのだけど、メニュー見ても何が何やらさっぱりわからない...。店員さんのおすすめを聞こうと思って気になったメニューを指差すと、その若いウェイターは目を輝かせ、「よくぞ聞いてくれた!」とばかりに情熱的にあれこれと早口に語り始めたのです(ほとんど聞き取れなかったけど)。。。とりあえず「海老」であることと「すごく美味しい!」という言葉だけ理解できたので、それを注文することに。

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しばらく待つと・・・さっきのウェイターが大変な上機嫌でやってきて、このおかしな紙エプロン(海老のマーク入り)を私の首に回すではありませんか。店内を見回してもこんなのつけてるのは私だけなんだけど...(苦笑)。更に、はじめて見る道具一式が(海老を食べるための7つ道具なのだろうか?)テーブルにずらりと並べられます。

実際の料理が運ばれるときには、店内は大変な盛り上がり! 隣の席の家族連れも、こっちを見て勝手に盛り上がってる(笑)。写真まで撮られてしまったり。。。

う〜ん。よくわからないけど、店の名物の特製料理かなんかだったのかな??
ちなみに、注文したもう1品はシーフードのリゾット。

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まぁ、そんなことはさておき、ここの料理は本当に素晴らしかった! クロアチアで食べた料理はみんな美味しかったけど、中でもここは格別でした。またいつかトロギールに行く機会があったら、必ず行ってみたいと思うレストラン。

★Konoba TRS → http://konoba-trs.com

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食事の後にもう一度旧市街をぐるりと散歩。トロギールは治安が行き届いてるようで、夜歩きしてもまったく危ない気配を感じない。夜の11時も過ぎるとほとんどの店は閉まり、客引きのお姉さんもみんないなくなってました。

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写真は、宿への帰り道の目印になった「SEXY SHOP」の看板。
大人の店さえも深夜前にクローズする、健全な街。。