【クロアチアの旅(その4):ザダル旧市街(1)】
ザダル旧市街は長方形の半島で、ぐるりと全体を一周するのに1時間もかからないほどのちいさなエリア。陸地側に面した二辺には城壁が連なり、それぞれに城門が残っています。
これは正門でもある「陸の門」。中央に刻まれた翼のあるライオンはヴェネチアのシンボル「翼のあるサン・マルコのライオン」。この門が造られた16世紀、ザダルはヴェネチアの支配下でした。
下の写真は東側の入り江に面した「海の門」。同じく16世紀に造られたもの。
インフォメーションを探して通りを歩いていたら、通りの向こう側から突然大きな歓声が。。そして歌を唄い陽気な音楽を奏でる一団が行進してくる場面に遭遇。お祭りでもやっているのか?と思ったら、どうやら結婚式を祝う人たちのパレードでした。
この日は週末の土曜日。街の中心である聖ストシャ大聖堂の前の広場には大勢の人が集い、この日は何組もの結婚式が挙げられていたのです。
ザダルの見所の一つである聖ストシャ大聖堂。とはいえ、この状況で中に入れるはずはなくちょっと残念...。でも地元の人たちの結婚式にちょっとだけ立ち会うことができたのは楽しかった。
ザダル旧市街を見て歩いた中で一番印象深かったのが、この聖ドナト教会。
9世紀、プレロマネスク様式で建てられた円形筒型の建物。外から見るとちょっと無骨な印象だけど、内部の空間は荘厳な気配に包まれていて格別な感銘を受けました。
びっくりしたのが、建物の土台部分や壁面に使われている石材。よく見ると、ローマ時代の列柱などが無造作に(そして乱暴に)使われていて唖然としてしまう。。
聖ドナト教会に現在は祭壇がなく、教会としては使われていないのだけど、建物の構造が音響効果に優れているそうでコンサートなどの催しが連日開催されていた。この日の夜も何やら催しがあるとポスターに書いてあったので(内容は読んでもまったく理解できず...)、あとで出直すことに。
この聖堂のすぐ隣には大きな鐘塔が。見上げるとずっと上にまで続く階段に気後れしたけど・・・やはりこういうの見てしまったら登らずにはいられない!
塔の中の階段はものすごく急で、通路は人がすれ違うのが難しいほど狭くて登るのが大変。息を切らしながらどうにか最上階まで到着しました。
そして、そこから展望した景観は・・・まさに絶景!
どこまでも続く赤い屋根。青い海と青い空。絵に描いたような風景。あぁ、自分はずっとこんな景色に憧れてここへ来たんだなぁ・・・と、言葉にならない想いがこみ上げてくる瞬間でした。