【クロアチアの旅(その9):プリトヴィツェ〜シベニク】
プリトヴィツェで迎えた朝。窓を開けると、今まさに昇り始めようとする日の出が神々しい光を放っていました。のんびり寝ていてはもったいないので、さっそく散策へ。
宿の周りは、そのまま絵になりそうなほど美しい景観。早朝の凛とした空気がとても心地いい。
すぐ近くに、Mukinje(ムキニュ)という村があって、その向こう側の景観が「すごく美しい!」と、宿の娘さんが教えてくれたので、そっちまで行ってみることに。
Mukinje村は、品のいいホテルや別荘が立ち並ぶ地区。プリトヴィツェ国立公園がシーズンオフの間、この辺りのたくさんの宿泊施設はどうやって維持しているのだろうと?...と不思議に思ったのだけど、しばらく歩いていたら小高い山の斜面にたどり着いて、その謎が解けました。どうやらこの辺りは冬になるとスキー場へ様変わりするようです。
冬期にはゲレンデになるのであろう斜面を登り、そこから見渡した景色は本当に美しかった! プリトヴィツェは公園内の湖畔群だけでなく、その周辺を散策してみると、ますますその豊かな自然の美しさに魅了されます。。
旅の三日目は、長距離をバスで移動する一日。プリトヴィツェから再びザダルを通過し、アドリア海沿岸に沿って、シベニク〜トロギールへと向かいます。
バス停は、プリトヴィツェ国立公園「入口2」のあったところ。宿のご主人にバス停まで車で送っていただき、9時45分出発のバスに乗りました。このバスはザグレブを出発し、なんとドブロヴニクまでを結ぶ長距離便。
ザダルへ向かうまでの道の途中、のどかな平原で2台の戦車を見かけました。なぜこんなところに?と思ってしまったけど・・・この辺りは1990年代の紛争時、大変な激戦地。今では、この世の楽園のようなプリトヴィツェだけど、そんな暗い歴史の一面も担っているのです。
低木しか育たない荒涼とした大地。アドリア海沿岸部の明るい風景と、この内陸平野部の寂寥感漂う風景とのギャップが、強く印象に残りました。
遠くに見えるのは古城跡でしょうか? 観光地でも何でもないこんな小さな町を、いつの日かぶらりと散策してみたい。
移り行く車窓の風景を見ていたら、あっという間に時間は過ぎ、シベニクのバスターミナルに到着。途中休憩を挟みながら、4時間半くらいの道程。私たちはここで途中下車。バスターミナルに荷物を預け、シベニクの旧市街を半日観光。
海沿いの道を歩くと、そこは地中海の港町を思わせるような明るくて開放的な街並。きらめく陽光。紺碧の海と帆を揺らすヨット。賑やかに建ち並ぶオープンカフェ。
中世の面影残す旧市街が、本当にここにあるのか?と疑ってしまうくらい、その海岸通りの明るさが鮮烈でした。