ルーブル美術館展〜17世紀ヨーロッパ絵画〜

先週金曜日から3日間、両親が東京に遊びに来ていました。金曜の夜に仕事が終わってから、両親の泊まってるホテルへ直行。最近のことなど話しながら、ひさしぶりに父と酒杯を交わしました。土曜は父と母と3人で一緒に朝食を食べ、上野の美術館に行ってきました。本当は『阿修羅像展』を観たかったのだけど、朝10半の時点ですでに長蛇の列・・・。40分待ちというのであきらめて、仕方なく(…って言っちゃ悪いか)『ルーブル美術館展〜17世紀ヨーロッパ絵画〜』を観てきました。
 

こっちなら並ばすにすぐ観られるって案内だったのだけど、会場に入ってみたら、ものすごい人、人、人…。会場は入ってすぐの部屋はまったく作品に近づけない状況でした。母はその時点ですでに降参(笑)。出口の方に早足で行ってしまいました。
 
090414-9.jpgこの展覧会で一番の呼び水となってるのが、フェルメール「レースを編む女」と、レンブラントの「縁なし帽を被り、金の鎖を付けた自画像」。レンブラントの作品には近づけそうになかったのであきらめましたが、フェルメールの絵はどうしても観たかったので、なんとか粘って、割と近くの方で観ることができました。初めて見るフェルメールの実物の作品。やっぱり、すごい。特別な存在感がありました。レース部分などの緻密なタッチを評されることが多いのだけれど、人物の顔部分などは意外に面的な描き方をしているだなぁ、とか思ったり。あと影の部分に青緑系の色を混ぜてあって、それが画面全体に不思議な空気感、時間を閉じ込めたような効果をつくり出していることを知りました。この作品だけでも観れて良かった。
 
090414-7.jpg今回の展示の中で私が一番気に入ったのが、カルロ・ドルチ「受胎告知 天使」。しばらくじっと見入っしまいました。なんて美しい輝きを持った絵なんでしょうか。顔の表情と指の柔らかい表現が素晴らしい。この作品は連作になっているようで、隣に「受胎告知 聖母」もあったのですが、そちらはいまひとつ(あくまで私の感想です)。「天使」の方が格段に美しいと感じました。カルロ・ドルチのことを私はよく知らないので、これからもうちょっと調べてみたいです。
 
090414-8.jpgその他で私の気に入った作品は、アンブロシウス・ボスハールト(父)の「風景の見える石のアーチの中に置かれた花束」。とても小さなサイズの作品なのですが、ひと際異彩を放っていました。この作品、構図や描き方自体は古風なものだけど、主題や空間の捉え方がとても現代的だと思います。マグリットを連想させるような、シュールな世界観を感じました。

あと、ヤン・ブリューゲル(父)の「火」も素晴らしかった。ダークなモチーフが画面の隅々まで綿密に描き込まれていて、いろんな物語が浮かび上がってくるようでした。ずっと観ていたい作品でした。
 
あまり期待せずに観た展覧会だったけど、何点か素晴らしい作品に出会えうこともできて、やっぱり行って良かったです。全国巡回はあるのかな? 機会あれば、みなさんぜひ観に行ってみてください。