「こもれび DE 安房直子朗読館」公演の後、西武柳沢駅まで歩いて行って、一度新宿に出て買い物してから、茅場町へ移動。大野まどか自主企画「消えるまえの音、起こるまえのこと」に行ってきました。ずっと前から楽しみにしてたライブ。
■この日の出演者
miyamoto zentaro http://www.myspace.com/miyamotozentaro
穂高亜希子 http://www.geocities.jp/keroyonnn2000/
Edmund Oak http://www.myspace.com/edmundoak
OLiM http://www.myspace.com/zer0xxx
大野まどか http://www.myspace.com/oonomadoka
美術:Windpress71 (森千章) http://windpress71.main.jp/
会場:七針 http://www.ftftftf.com/
最初の出番は宮本善太郎さん。最初の2曲はピアノの演奏。その後はドラムに移ってのインプロビゼーション(だと思う)。ピアノの曲も旋律が美しくて素敵でしたが、私はドラムの演奏の方が良かったと思います。緊張感のある演奏でした。
次の出演は穂高亜希子さん。先月、たまたまチラシを手にしたライブで〈DJなんのこっちゃい西山。presents「ひきがたり」〉という企画がありました。出演者は、とうめいロボ/鴨田潤(a.k.a.イルリメ)/いいくぼさおり/穂高亜希子/ナキミソ。会場は三軒茶屋guruguru。とうめいロボさんが出演だし、他の出演者も「質は絶対に保証します!」って、チラシを配ってた方が力強く語ってくださった(その人が、なんのこっちゃい西山。さんだったと後で知りました)ので、なんとなく行ってみたのです。で、そのライブの中で強烈に印象に残ったのが穂高亜希子さんでした。今回のライブにも穂高のさんの名前のクレジットがあって、この日がますます楽しみになっていたのです。
そしてこの日の演奏は、前回のライブ以上に素晴らしかった! 前回の演奏ではちょっと不安定な感じがあって、それがまた魅力的でもあったのだけど、今回の演奏は最初から気持ちがこもっていてとても充実した内容でした。ピュアなものと、激しい情念のようなものとが重なり合った歌。すごい才能持った人だと思う。これからしばらく追っかけて聴いてみたいです。
次の出演は、Edmund Oak。デンマークから来たミュージシャンで、この日が東京ツアーの初日だったそうです。一人でいろんな音を駆使してて面白かったのですが、事前準備の音源が多すぎるかなぁとか思ったり。私にはちょっと捉え難い感じの音楽だったけど、エキセントリックな演奏でした。
次の出演者はOLiMさん。以前誰かとの共演でOLiMさんのボーカルは聴いた気がするのですが、ソロでの演奏を聴くのはこの日がはじめて。最初の1曲目はカバーの歌だったのだけど、会場全体が息を飲むような、ちょっと異様なほどの感情の高まりを感じさせる演奏でした。なんて素晴らしい表現力なんでしょう・・・。彼女はまだ18歳なんだそうです。末恐ろしいミュージシャンだなぁって感じました...。カバーの曲も素晴らしかったけど、後半のオリジナル(?)の曲の方が私は良かったです。
そして最後に登場したのが大野まどかさん。大野さんの演奏を最初に聴いたのは、昨年9月の銀塩つばめ出演のライブのときで(→この記事)、その時に特別な才能を感じたミュージシャンでした。階段を駆け下りるようなスピード感のあるピアノの音と、奥行きのある歌声。そして歌詞の内容にも深みがあります。辻隼人さんとの共演のときも素晴らしかったけど、この日の演奏はたっぷり、じっくり、大野まどかさんの演奏と歌声が聞けて、とても良かった。ライブ終わった後、電車の乗ってからも、しばらくずっとのピアノの音が頭の中をぐるぐる駆け回っていました・・・。
ちょっと話がずれますが、大野まどかさんの最初の曲は「灰色オオカミの子守唄」。英語ではない聞き取れない言葉だったので、「造語の曲なのかな?」って思ったら、MCのときに、〈「話の話」というロシアのアニメーション作品の中で、オオカミが歌っている曲...〉と説明があってびっくりしました。「話の話」(1979年)はロシアのアニメーション作家、ユーリ・ノルシュテインの作品。言葉では説明しきれない、傑出した映像作品です。高畑勲がこの作品を絶賛して紹介したことで、一度は埋もれかかっていたこの傑作が再び脚光を浴びることになりました。私が始めて見たのは20年くらい前ですが、当時は何度も繰り返して観たものです。その「話の話」と、この日のライブが結びつくなんて・・・。なんとも不思議な、そしてとてもうれしい気持ちになりました。好きな世界は、みんなつながってるんだなぁって思って。
部屋のどこかにVHSテープが、まだあったはず。探さなければ。。