バッハとコーヒーの楽しみ

アンサンブル「光のオルガン」主催のコンサート「バッハとコーヒーの楽しみ」に、ソプラノ歌手・中村初恵さんが出演されるというので、竹浪明(映像作家・文筆家)さんと一緒に行ってきました。3月に初恵さんのコンサート(→こちら)に行って以来、私もすっかり応援団の一員になってしまいました(笑)。会場は吉祥寺のラ・フォルテ(音楽ホール&イタリア家庭料理)。

曲目は、バッハ:オーボエとヴィアオリンのための協奏曲 ニ短調/ブランデンブルグ協奏曲第1番へ長調/コーヒー・カンタータ、他。

「光のオルガン」はバッハの教会カンタータを中心に演奏活動をされているそうですが、今回は世俗カンタータということで私にも馴染みやすかったです。1曲目はバッハらしい印象の曲でしたが、2曲目はホルンが入ったり、様々な音と曲調が代わる代わる展開していく面白い曲でした。

そして休憩を挟んで、中村初恵さん出演のコーヒーカンタータ。内容はコーヒーの虜になり、毎日コーヒーを飲まずにはいられない娘と、それをどうにかしてやめさせようする頑固親父の物語。声楽曲ながらちょっとしたパフォーマンスも加わって、二人のやりとりがとても楽しくて、聴き応え&見応えのある内容でした。初恵さんの清らかで瑞々しい歌声が、物語をよりいっそう魅力あるものにしてくれました。そして娘・リースヒェン役を、とても表情豊かにチャーミングに演じていて素敵でした。

コーヒーカンタータは「世俗カンタータ」と呼ばれる楽曲の中でも非常に有名なものなのだそうです。曲もさることながら歌詞がすごく素敵なのです。たとえばこんな一節。。。

「お父様、そんなに厳しく言わないで!
 私は一日に3回 コーヒーが飲めないのなら
 それはもう苦しくって 干からびたヤギの焼肉みたいになっちゃうわ!」

「ヤギの焼肉」なんていう表現が、とってもユーモラスですよね。本当に素敵な世界。このちいさな物語に絵を付けて、絵本にしたいくらいです。この曲が演奏された時代に、皆がどんなに熱狂しながらこの曲を聴いていたのかを想像すると、楽しくてたまりません。民衆にとっては最高のエンターテイメントであったことでしょう。そしてこの時代の音楽演奏会は、様々な表現要素が混じりあう、優れたマルチメディアでもあったのだと思います。
 
コンサートの後には「コーヒーとお菓子」タイムがあって、演奏者の方達も参加しての楽しい時間を満喫しました。デザートはビュッフェスタイルで、美味しいケーキやフルーツが食べ放題でした。飲み物はコーヒーと紅茶が選べたのですが、「あの演奏の後だから当然コーヒーですね♪」と、同じテーブルに座った皆で語り合いながら美味しいコーヒーをいただきました。ところが、遅れてテーブルについた初恵さんはいきなり紅茶を選んで、皆が「アレ??」という反応をしてしまって、笑いを誘う一幕もありました。

※演奏中の写真は撮れなかったので、イラストは「コーヒー好きな娘」のイメージってことで。このイラスト描いた時は紅茶を飲んでる女の子のつもりだったのですが、今後はコーヒーだったことにします(笑)
 

それから皆さんにご案内です。中村初恵さんが出演されるコンサートが7月28日(土)にあります(会場/大田区民ホール アプリコ大ホール)。とてもうれしいことに、ご希望の方はご招待いただけるとのことです! 日本ではほとんど演奏されることのないグリエールの“コンチェルト”他、演奏される曲目も素晴らしい内容なのだそうです。ぜひたくさんの方に聞いていただきたいので、行ってみたい方いらっしゃいましたら私にメールくださいませ。予定がまだわからないという方も、ぜひご連絡ください。チラシお送り致します!

★私へのメールは→こちら