songs & improvisation 向井千惠

サイトのリニューアルが一段落したら、ブログの更新をする意欲がすっかりなくなってしまった今日この頃(笑)。いろいろ記事にしたいことはあるのですが、私の場合、文章を簡潔に書く能力がないので更新するのにも気合いがいります。

最近いろいろライブに行きました。ローザスの公演のこととか、忘れてしまわないうちにちょっとづつ書き起こしてみます。
 

少し前になりますが、向井千恵さんのソロのライブに行きました。会場は高円寺のAriAというBar。いかにも高円寺という感じの、昭和風情のお店でした。
向井千恵さんは、私の一番好きなミュージシャンの一人。もうかれこれ20年くらい前からずっとライブに通ってます。当時はChe-SIZU(シェシズ)というユニットでの活動がメインでしたが、近年はソロでの演奏とパフォーマンスだったり、様々なジャンルのアーチストとのコラボレーションをしていたりします。

第1部はいろんな楽器を使っての即興演奏とパフォーマンス、第2部は胡弓を使ってのインプロビゼーション。第3部はピアノと歌もの。どれも本当に素晴らしい内容でした。向井さんの音楽の魅力は、なんといってもその「声」だと思います。その魅力を言葉にするのはとても難しい作業です。「美しい声」というと、透明感溢れるクリスタルヴォイス・・・だとか、天使のような・・・とか、いろんな形容をされると思うのですが、そういうありふれた言葉ではうまく表現できません。クリアという性質とはむしろ逆で、少しこもったような、境界が曖昧な「滲んだ」ような声。暗闇に響き渡るような音。影の部分を強調することで、その対象がぼんやりと美しく浮かび上がってくる・・・そんな感じでしょうか。誰とも違う、どこにもないものだと思います。

今回はとても小さなスペースでのライブだったので、まさに目の前で演奏してもらってる感じで、観客の私の方がドキドキするような体験でした。中央線での帰り道、ライブの高揚感がいつまでも続いていました。素晴らしい夜でした。

★向井千恵 HP http://www.kilie.com/mukai/