秋の光?

クリスマスなのだそうですが、夕暮れの景色には秋の光を感じます。未だに紅葉した葉があちこち残ってるし、冬はどこにいってしまったんでしょう。


昨日は、吉田稔美さんが参加されてる展覧会を観に、外苑前のギャラリーに行ってきました。「GALLERY HOUSE MAYA 20th ANNIVERSARY + X'mas 企画展 EVER AFTER  ずっと いつまでも. . .」という展覧会。出品者がものすごく豪華!

朝比奈かおる 東逸子 荒井良二 飯野和好 伊藤ちづる 宇野亜喜良 遠藤拓人 岡田里 おさないまこと 門坂朋 金子恵 管野研一 木内達朗 木村タカヒロ くまあやこ こみねゆら 酒井駒子 作田えつ子 ささめやゆき 篠崎三朗 嶋津まみ 城芽ハヤト スズキコージ 武田典子 たなか鮎子 寺門孝之 灘本唯人 羽多野典子 原マスミ 服部純栄 樋上公実子 深瀬優子 古屋亜見子 牧野千穂 山口マオ 山本タカト 山本祐司 吉田稔美
http://www.gallery-h-maya.com/

絵本系のイラスト・挿画が好きな人なら憧れる作家さんばかりです。ギャラリーハウスMAYAはその方面ではとても有名なギャラリー。私も20年前から憧れている場所です。もっと良い作品描けるようになってMAYAで個展を開けるようになるのが、私の一つの夢なのです。

展示は各作家1点づつだったのですが、「さすが・・・」という見応えのある作品ばかりでした。絵本系のイラストを目指してるひよっこのイラストレーターは星の数ほどいるけれど、トップを走ってる人たちはやっぱり違うなって、あらためて思ったりしました。

こみねゆらさんの作品をひさしぶりに観れたのもうれしかったです。ずっと昔、こみねゆらさんがMOEのイラストコンテストに投稿してた頃からファンなので。
http://www1.atpages.jp/yurara/NewFiles/jap/%20pick/mukasi.html
↑この頃の絵が大好きでした。そういえば、私がガッシュを使うようになったのは、こみねゆらさんのテンペラ画に憧れて…というのがきっかけでした。(←なんて単純!・笑)
ふとそんな昔のことを思い出したり、とても楽しい展覧会でした。


そのあとは特に目的もなくぶらぶらと歩いてたら、ワタリウム美術館の前を通ったので、ひさしぶりに入ってみました。shopに入った途端、物欲刺激されるグッズや本に囲まれてしまい、非常に困ったことになったのですが。誘惑を一生懸命こらえながら書籍のコーナーに行ってみたら、以前Amazonから《おすすめ》案内のあった「高橋悠治コレクション1970年」があったので手に取ってみました。パラパラ本をめくっていたら、なぜかスタッフの一人が私めがけてやってきて、「高橋悠治さんのCDも置いてますよ。視聴もできますのでよかったらぜひ!」と、絶妙なセールストーク(笑)。見事に術中にはまって、CDと本をセットで買ってしまいました。

そのあと、また別の本屋に行ってしまって(物欲に火がつくと止まらなくなるのです・・・)欲しかった画集を買ってしまったりしたのですが、その画集のことを書き始めると長くなるのでまたあらためて。今日はちょっと体調悪いのでゴロゴロしながら一日中、本を読んでました。なんて安上がりなクリスマスなんでしょう(笑)

その「高橋悠治コレクション1970年」と、松岡正剛の新刊「17歳のための世界と日本の見方」という本とを代わる代わる読んだりしてるのですが、どっちもすごく面白くて止まらなくなります。高橋悠治さんの音楽論は、私には難しすぎてほとんど理解できないのですが、途中途中の文章の中にドキッとさせられる言葉があって、どんどん読み入ってしまいます。たとえばこんな文章・・・

「一般に教育といわれるものは、権威をもってある偏見を押しつけることをいうようだ。」

「音楽は音をうたがうことからはじまる」

「音はあるかたちをそなえている。それは空気のムラとしてはじまり、ほうっておけばそのままきえてしまうから、かたちをたもつためには意識してその波をころがしつづけなければならず、意識がとぎれる時は音はやんで、沈黙だけがのこる。音をたもつのは、演奏する者の態度なのだ」

「学習は、ある意味では耳慣れないものを耳慣らすことにある。親しめないものは、自分に対する危険をかくしている。それを慣らしていくのは、危険なものを自分の身につけて、それを自分の力に変えていくことであり、そのためにはくりかえすことがたいへん重要である。ただ耳慣れないものをくりかえしきけば耳慣れてくるというだけではない。あまり親しめないものをくりかえすうちに、少しづつ耳が変わってくる。するといままで聞こえなかった、あるいは気がつかなかった面に気がつくようになる。そういう細部の変化が結局、あるものを理解する、あるいは身につけるということの基本になるのだ」


はっとさせられることがたくさん書いてあります。自分の親しいもの、よく知っているものばかりを周りに置いて、それで居心地よく思うような生活習慣は改めなければなりません。緊張感をなくした空間・時間の中では、良いものは生まれてこないでしょう。「変化」を恐れない心を持ち続けたいです。