ペリカンのガッシュ

このところイレギュラーなことが続いてしまって、予定していた仕事がまったく進んでいなくてピンチです・・・。かなり厳しい状況ですが、これからちょっと集中してがんばってみます。

最近行った展覧会や講演会のことなど、いろいろ書きたいことが溜まってるのですが、今は気持ちを置いた文章書けそうにないのでもうちょっと状況落ち着いてからにします。間を置くとますます書けなくなってしまうのですが・・・私は簡潔に文章まとめられないのでいつも時間かかってしまうのです。これじゃ作文の及第点はいつまでたってももらえませんね(笑)


写真は私がずっと愛用してるペリカン社(独)のガッシュ。
よく人から「これは何で描いているのですか?」と聞かれるのですが、その度に「ガッシュ」についての説明の話になったりします。水彩絵具は大きく分けると2種類あって、伸びやかで透明感のある発色の「透明水彩」と、マットな色面で重ね塗りができる「不透明水彩」があります。その「不透明水彩」のことを、画材としては一般に「ガッシュ」と呼ぶのです。ちなみに小学校とかで強制的に買わされる「絵画セット」とかに入ってる絵具は、上記どちらの長所を取り入れようとしたものの、どちらの長所も殺してしまってる、非常に扱いづらい絵具です。

最近はアクリル絵具を使う人が多くなったので、ガッシュと言っても「???」と思われてしまうことが多いのですが、珍しいものでもなんでもなくて、水彩絵具としては一番オーソドックスなもので、歴史も深いのです。絵具の本来の姿、素材となる顔料の美しさを感じさせてくれる、素晴らしい画材だと私は思っています。


私は大学の頃に画材屋さんでアルバイトをしていて、その時にこのペリカンのガッシュに出会いました。淡彩風に描こうとすれば鮮やかな発色を発揮し、重ね塗りすると落ち着いた色合いになるこの絵具に出会ったことが、自分の画風に大きな影響を与えてくれました。その後は透明水彩とガッシュを混ぜて使うようになり、ガッシュを使う割合は少なくなったのですが、ペリカンのガッシュは今でも一番のお気に入りの絵具です。最近は置いてる画材屋さんがとても少なくなってしまい、買うのが難しくなって残念なのですが。以前揃えた絵具を今も大事に使っています。

先日久しぶりに絵具を取り出したら、カチコチに固まって使えなくなったものが多くなっていました。でもついさっき、机の上に散らばった絵具を片付けていたら、使えなくなってたはずのチューブ1本が、いつのまにか復活していてうれしくなりました。先日なんとか絵具を絞り出そうとして、少し水を含ませたおかげなのか、この部屋の暖房のおかげなのか、よくわからないのですが。止まっていた時間が動き始めたようで、なんだかうれしかったです。本当に些細なことなんですが。


って、小さな喜びをちょっとだけ綴るつもりが、また長くなってしまいました…。やっぱり作文の及第点はもらえませんねぇ。