実家のある鳥取県米子市に帰省してきました。夏休みというわけではなくて、実は、父が急に手術することになって、急遽戻らないといけなくなったのでした。危険度の高い手術ではなかったのですが、生命の一番大事な部分に手を入れたので、医者からは「万一のこともありますので・・・」と散々脅され、手術前はかなり緊張しました。でもすべて順調に事が運び、どうにかホッとしました。病院やお医者様、この国の医療保険制度のありがたさを、しみじみと痛感した今回の一連の出来事でした。
ま、そんな事があったのですが、お陰で思いがけず帰省することができて良かったです。本当にひさしぶりの里帰りでしたし、田舎の空気を吸って、懐かしい景色を見て、美味しいものもたくさん食べて、とても良い気分転換の機会になりました。やっぱりいいものですね、故郷があるって。町の景色が少々変わっても、やっぱり変わることのない何かが、そこにあるような気がします。
帰省する前は二晩徹夜しても仕事が終わらず、でももうどうにもならない状況になったので、とにかく途中の仕事もノート型PCに放り込んで、着のみ着のまま家を出ました。結局、指定席を取っていた新幹線には間に合わなかったのですが、どうにか当日中に戻れる便に滑り込むことができました。切羽詰まった状況でPCにデータを入れて持ち帰ったのですが、モデムの調子がおかしかったりでまったく仕事にならず、何のために重い荷物を持ち帰ったんだか・・・ってことになったのですが。
帰省する時、飛行機を使うことが多いのですが、今回はひさしぶりに(学生の時以来だから10年ぶり以上?)新幹線と伯備線というローカルな電車を乗り継いで家に帰ることにしました。飛行機だと1時間ちょっとのフライト、新幹線を使うと6〜7時間もかかってしまう(なんて遠いんでしょう!)のですが、今回はなんとなく、電車に乗ってみたかったのです。
まず東京から岡山まで新幹線で行きます(約4時間)。岡山から伯備線「やくも」という電車に乗り換えます(約2時間半)。この伯備線というのは、岡山と鳥取との国境にある中国山脈を越えていく路線で、登り下りが多い上に左右に曲がりくねっている線路なので、まぁ、とにかく揺れるのです。どのくらい揺れるかと言うと、お弁当と一緒に買ったお茶がこぼれるくらい、揺れるのです(笑)。本を読んだりするとすぐに気分が悪くなります。初心者には要注意、地元以外の人にはとても評判の悪い電車なのです。
私も若い頃はその電車に乗るのが大変な苦痛でした。でも、なぜか歳をとってからは、あの揺れる電車が、なぜだかとても恋しく思えたりもするのです。不思議ですね。
上の2枚の写真は「やくも」の車中から撮った景色。新見の手前くらいだから、まだ岡山県。こんな感じの、のどかな美しい山の景色がずっと続きます。
米子駅に着いたころには、もう真っ暗でした。本当にひさしぶりに降り立った米子駅。懐かしくって涙がこぼれそうになりました。
有名な「鬼太郎列車」の発着口は、この先の「0番」ホームです!
駅の構内はほとんど昔と変わってなかったのですが、改札を抜けて駅前に出たら、ずいぶんきれいに整備されていてびっくりしました。でもちょっと違和感も。町の空気感とかは変わらないんだけどね。
実家でのこと、また追々書いてみます。写真もたくさん撮ってきましたので。
エヌガール
姉が鳥取大学の学生だった中学生のころ、兵庫県の西脇市から4時間列車にのって、鳥取までは、なんどかいきました。
雪がドッサリ降るんですね、海が近くていいナアと思ったり。
おとなり(?)なのに、言葉も気候も習慣もちがうもんだなアと思いましたっけ。
米子と鳥取市とも、近くてもきっとまた違うんでしょうネ。
お父様、術後も静養され、お大切に!
よりこぐま
かえりたい。
かえりたいよー。
えーんえんえん。
おはなしのつづき、たのしみにしています。
しゃしんも。
竹浪 明
お父様の手術、無事成功の由、ほっとしました。
お大事になさってください。
大変な時に某ブログスキンや記念葉書
お世話になり恐縮と共にありがとうございます。
記事を拝見・拝読しながら、大いに旅情も感じられました。
列車の旅はいいですね。たとえ揺られに揺られても。
こちら地元の深大寺には「鬼太郎茶屋」があります。
いらしたことありますか?
今度、ご一緒しましょう。ささやかなお礼のためにも。
Canadia
お父様の手術、ご無事で本当に良かったですね。
ところで、めちゃめちゃ私の範囲のお話でなんだかすっごく楽しく読ませてもらいました。私、今、岡山に住んでいます。しかも「伯備線」ときどき使います。そしてそして、私昔大学を受けに「やくも」にのって米子へ行ったことがあります。幼い頃もベビーシッターさんの実家が米子にあって、両親が忙しいときに、ベビーシッターさんと旅行で米子に連れて行ってもらったことがありました。信じられないくらいキレイな砂丘と浜昼顔の花が忘れられません。私、当時まだ4歳でしたけど、幼いながらその美しさにすっごい感動しました。しかもさくらんぼ畑で桜の木の上に座らせてもらってさくらんぼを好きなだけ食べた思い出が!それ以来、米子は最高の思い出の場所です。ちなみにいつか桜の木の上に腰掛けてさくらんぼを食べている女の子を基にした絵本を書きたいな~って思ってます。
*ミトン*
お父様の手術が無事に終わって良かったですね。
一日も早い回復をお祈りしています。
夜の駅のホームっていいですね。
私も高校生の頃は電車通学で
夕焼けじぶんの茜色の空が
だんだんと青みがかっていって、
やがてとっぷりと暮れてしまうまでの時間が
とっても好きでした。
今度切符を買って、乗ってみようかな
米子には従姉妹が住んでるので
いつか遊びに行ってみたいな♪
s-kai
いろいろと大変でしたね。お疲れ様でした。
まずはひと安心ですね。
私も電車での帰省が好きです。
少しずつ故郷に近づいていくことが実感でき、なんともいえない気持ちになります。
私の場合は、時々帰ることで自分の中でバランスを取っている気がします。
田舎者の自分と、都会で生活する自分。
1人で生きている自分と大家族で育った自分。
(最近は妹とその娘と住み始めたので、ちょっとその比率が変わってきましたが)
車窓から撮った写真、夕暮れの雰囲気がいいですね。
明石から西に行ったことがないので、
つづきの写真、楽しみにしております。
よこやま
>エヌガールさん
お心遣いありがとうございます!
お姉さんが鳥取市にいたことあったんですね。兵庫から鳥取って、いちおう隣の県なのに、行き来が大変なんですよね。関西から日本海側のルートを電車で行こうとうすると、ものすごく時間かかるそうです。地図と見ると近い気がするんですけどね。
そう、鳥取市は意外に雪がたくさん積もるんです。私の故郷の米子市は鳥取市よりは雪も雨の被害も少ないんですよ。同じ県なのに東と西とで端っこ同士なので、まったく別な地域という印象です。有名な砂丘も遠足で1〜2回しか行ったことないし(笑)
よこやま
>よりこぐまさん
米子駅の写真見て、里心ついてしまいましたか?(笑)
今回ひさしぶりに帰って、ホントに良かったです。
今更ながら良い部分に気づいたり。やっぱりいいところですよね。米子。
でも今回の帰省は病院と家との往復でほとんど終わってしまったので、
また近いうちにゆっくり帰省したいです。
よこやま
>竹浪さん
あたたかいお言葉ありがとうございます!
そう言っていただけると、心癒されます。向こうでも仕事するつもりがほとんど仕事にならなくて焦っていたので。
海外への憧れも尽きないですが、国内の旅行も楽しさいっぱいですよね。
若い頃はお寺とか仏像とか史跡とか、まったく興味なかったのですが、年を重ねてから、そういうものへの興味も高まって来て、どこに行ってもいろんな楽しさがみつかります。もちろんそういう観光名所に行かなくても、その土地の風景を見てるだけで、幸せな気持ちになるのですが。そしてその土地の料理とお酒が一番の楽しみだったり(笑)
よこやま
>カナディアさん
えーっ、カナディアさんと米子に、そんなつながりがあったなんて。びっくりです。日記読ませていただいて、岡山にお住まいなのかな?とは思ってったのですが、やくもにのったり、米子にいらっしゃったことがあるなんて、とてもうれしい驚きです。伯備線、ガタゴトとよく揺れますよね(笑)。私が子供の頃、線路が整備される前の伯備線は、もっと揺れたんですよ。
その海での思い出、弓ケ浜の白浜なんでしょうかね。遠くまで弓なりに続く白浜と浜昼顔の花、その向こうにそびえ立つ大山の山・・・私たちにとっては見慣れた光景ですが、確かに忘れ難く美しい景色ですよね。米子のこと、そんな風に美しい思い出を抱いてくれてるのを知って、すごくうれしいです!
さくらんぼと女の子の話、いつか必ず絵本にしてくださいね。そして本でき上がったら必ず知らせてくださいね。楽しみにしてますから。
よこやま
>ミトンさん
優しい言葉かけてくださってありがとうございます。
父はもう退院して元気にしてるそうです。
夜の駅って、何とも言えない情緒がありますよね。
田舎の寂れた駅とか、ときどき意味もなく降り立ってみたくなります。
高校時代、毎日列車に乗って(電車ではないのです・・・笑)
学校に通いました。たくさん思い出がありすぎて、
その列車に乗るといろんな思いが込み上げてきそうで
今乗るのはちょっと勇気がいります。。。
考えただけでも歳甲斐もなく、切ない気持ちになってしまいます。
その列車が、今じゃ「鬼太郎列車」に様変わりしていようとも!(笑)
よこやま
>s-kaiさん
お心遣いありがとうございます!
やっぱり里帰りっていいものですね。そして今回電車で帰ることにして、本当に良かったです。だんだんと近づいていく感じ・・・いいですよね!なんとも言えないです。
両親とは東京でもたまに顔合わせることがあるので、時間とお金かけて帰省することもないかって、ずっと思ってたのですが、今回ひさしぶりに帰省して、やっぱりたまには帰ってみるもんだなって思いました。それほど地元に愛着はなかったのですが、この歳になっていろんな思いが込み上げてくるようです。
今では東京が自分の生活のほとんどを占めているけれど、心の根っこの部分は、今もあっちにあるのかなって気がしました。
口ばっかりになってしまってますが、本当に近いうちに、お酒飲みながらゆっくり田舎談義などしましょうね。
山造
コメント遅れましたが山造がコメント無しで立ち去るわけにはいかないネタではありますね(笑)
郷里に近づくにつれ日が暮れて行き、夜の寂しげなホームに降り立つ。乗ってきた列車が赤いテールライトを残して去って行く。
・・・なんてのがたまらなく胸に迫るシチュエーションですヨネ。今回はお父様の病気ということでそんな呑気なものではなかったでしょうけど・・・
山中をうねうね走る列車ならば大してスピードも出ないでしょうが、それが今の時代としては逆に贅沢な時間の使い方に思えます。「速い=良い・遅い=ダメ」では決してない!と、強く強く思うのであります。
よこやま
>山造さん
今回電車で帰ろうって思ったのは、山造さんの影響もあった気がします(笑)
やっぱりいいものですね、電車の旅。駅弁とビール買って、外の景色見ながら食べたりするのが、何とも言えず気持ちいいですよね。外を見ながらぼーっとするのも心地よいし。最近ぼーっとする時間がなかったのですが、今回電車にガタゴト揺られながらずーっとぼーっと考え事してました。端から見るとかなり怪しい人間に見えたと思います(笑)
山造さんがローカル電車の旅をこよなく愛する気持ちが、ほんのちょっとわかった気がしましたよ。
モリッスィー
お父様の手術、無事に終わって本当に良かったですね。
お大事になさって下さい。
私も帰省するときはほとんど飛行機なので、この根雨(のあたりでしょうか?)の景色はすごく懐かしいです!!上流だからか川に大きな岩がごろごろしてるんですよねー。
よこやま
>モリッスィーさん
ありがとうございます。父はもうすっかり元気なようです。
この写真撮ったのは新見の手前くらいなので、まだ岡山県です。
県境の川の上流になってるところが一番きれいな景色になるのですが、その頃はもう真っ暗になってしまって、ちょっと残念でした。川の流れる向きがいつのまにか変わってるのが面白いですよね。