今回の引っ越しでの収穫とも言えるのですが、いろいろと思わぬものが部屋から出てきました。これはそのひとつ。なくしたと思ってた絵がゴミにまみれて(笑)出てきました。倉庫代わりに使っていた、半屋外のような場所に置いてあったので、損傷なく生きていたことが奇跡に近かったです。どうしてそんな風にゴミ扱いしていたのか、自分では覚えてないのですが、描いた当時からあまり気に入っていない作品だったので、ぞんざいに扱ってしまったのかもしれません。
これを描いたのは10年くらい前。タイトルは「猫が死にましたので」という、悲しいものでした・・・。この絵を描いた当時、私は絵の方向性をまったく見失っていて、ひどく苦しんでいました。絵以外のことでも、いろいろと思い悩んでいて、私の今までの人生で一番暗い時代だった気がします。すこし、心のバランスを崩していたような。基本的にはずっと能天気に、いいかげんに生きてきた私ですが、まぁ、そんな時代もあったわけですねぇ。
そんな嫌な記憶を遠ざけたくて、この絵を無意識のうちに封印してたのかもしれません。絵自体は、別にどうってことないものなんですが、当時の記憶が思い出されるのはやっぱりずっと嫌でしたから。こうやって無意識の心的作用があって物をなくしてしまうのを、フロイトは「錯誤行為」って言ったんでしたっけ。今はそんな当時の自分も、余裕を持って見つめられるのだけど。ああいう時期があったからこそ、今があるんだなって。
いきなり暗い話題になってごめんなさい。他にもいろいろ面白いもの出てきたので、また折を見て記事にしてみますね。
ロッキー
引っ越し終了、おめでとうございます。
過去の作品が出てくるとは収穫でしたね!
私も油彩を描いていたので、同じ経験があります。15号くらいだとどこにあるのか、どんな物を描いたのか、量が多すぎてわからなくなっちゃうんですね。
特に貧乏な頃の絵は、木枠から外してまるまってるからなおさらわからない。
でも、若い頃の筆の動きは、自分にもこんな冒険的な時期があったのだと、勇気づけられます。
ベランダからの桜は、値千金ですね!
桜だけで一升いけそうです(笑)
*ミトン*
文章を読むまでは
猫がのんびり昼寝をしている
夏の昼下がりだと・・
絵に込められた「思い」を
読み取るのは容易ではありませんね
この絵を見て
映画「スタンドバイミー」を思い出したんですが
どこかに「死」のイメージを
嗅ぎ取ったのかもしれません。
思い出したくない出来事や季節って あるけど
全部ひっくるめての自分なんですよね・・。
Canadia
ジャムさんっ!Canadiaは感激です!今日、ジャムさんのページを開けさせてもらったら、
新しい絵が!!!うれしいっ!ジャムさんの絵大ファンの私にとっては最高です!今日は絶対ハッピーな日になります!
この絵、素敵ですよ。すごく!
タイトルを読むまでは、私は少年と猫が
かくれんぼしてるのだと思いました。タイトルは「午後のかくれんぼ」って感じでしょうか。
ごみ扱いだったなんて、、、、ひどひぃ(T0T)
すごく素敵なのに。
他にも面白い物が出てきた、、、←又見せてください!
PHCK
絵は沢山のことを語りかけるんですねぇ。
それとも、始めは、よこやまさんが、キャンバス(かな?)に
無意識のうちに語りかけたのかしら。。。?なんて。
フロイトの言う「錯誤行為」ですか。。
私にも沢山の心当たりがありました。なるほど!
yamazo
話を聞かなければ猫とかくれんぼぐらいにしか思わなかったでしょうね。
実はそんな陰鬱な内容でありながら背景は晴れ渡った爽やかな風景。知ってしまうと不思議なことにその明るさが余計悲しさを感じさせますね。
病院で読んだ医学専門誌で、爽やかなアルプスの写真に「癌性疼痛に・・」などと書いてある鎮痛薬の広告を思い出しました・・・ってスミマセン。
※どうもあのテの広告の微妙な感覚が気になってしょうがないのです(笑)
うさギッロ
引越しのときに、昔書いたポエムが出てきて(爆)、赤面しながら読んでいましたが、だんだん耐え切れなくなって「うわああああ~~~」っと叫びながら引き裂いたことがあります(笑)。
絵だとそんなことは無さそうですが、文章は恥ずかしい!!
よこやま
>ロッキーさん
コメントありがとうございます!
ロッキーさんは油絵をお描きになったのですね。どんな絵だったのか、一度見せていただきたいものです。私の場合は小さい絵が多いからまだ楽な方ですが、油絵は本当にかさばるから保管が大変ですよね。油絵具の匂いも独特だし。
昔の絵って、すごく恥ずかしいのと、あぁ、こんなに自分も描けたんだって思う部分と、いろんな感情が混ざりますよね。昔は破り捨てたい気持ちの方が強かったけど(笑)、今はとっておいて良かった気持ちになってます。特に20代前半の絵は、思い入れも強くて、振り返ると少し感傷的な気分になります。。。
よこやま
>ミトンさん
絵を読み解くのは、本当に難しいですよね。私もつくづくそう思います。
自分が絵を描く人間であっても、人の絵を見て、その意図をいつもちゃんと汲み取れているかと言えば、汲み取れてないことの方がほとんどな気がします。創作をしてる人たちがよく口にするのですが、つくりながら、「わかってほしい」と願う反面、「わかるはずがない・・・」って思ってしまったり。微妙な心理が揺れ動くんですよねぇ。
ただ、すべてをわかってはもらえないにしても、何かしら「ひっかかるもの」を感じてもらえたらなぁって、いつも私は思ったりしています。誰かにとって、心の染みになるような絵を、いつか私も描いてみたいです。
よこやま
>Canadiaさん
この絵、気に入ってくださったそうでありがとうございます!
そんなに喜んでいただけて・・・恐縮ですが、私もとてもうれしいです。
「午後のかくれんぼ」ってタイトルも素敵ですね。タイトル変えようかな(笑)
こういう情景が実際にあったとして、誰かが遠くから見たとしたら、猫は寝てるのか、少年とかくれんぼしてるのか、きっとわからないですものね。そういう想像の余地があった方が、絵って楽しい気がします。
Canadiaさんに気に入っていただけて、なんとなく悪くはない絵のような気がしてきました。ホントに捨てようかと思ってたので(笑)
よこやま
>PHCKさん
絵って、良くも悪くも、その時の自分の内面が出てしまうから、ときどき困ってしまいます。音楽とかもきっとそうなんでしょうね。演奏する時、その時の心のコンディションが表れてしまうのかなぁ、と想像します。
「錯誤行為」は翻訳によっては「しくじり行為」とかなってましたが、「言い間違い(名前の呼び間違いとか)」「読み違い」「聞き違い」「もの忘れ」「置き忘れ」「紛失」などには、無意識下での何かしらの心理的な作用が影響してる、という考え方でした。なるほど!って思うことたくさんありましたよ。フロイトの「精神分析学入門」は、大学の講義か何かで使ったテキストが元になってるそうなので、読みやすいのでおすすめです。
よこやま
>山造さん
え、山造さんも「かくれんぼ」と見ましたか・・・やっぱりタイトル変えようかな(笑)
この絵描いた後展覧会で展示した時、見た人の反応がイマイチだったので、私もやっぱりダメだなって思ったのですが。タイトル変えたら、見る人の印象も変わるかもしれませんね。
製薬会社の広告・・・本当に違和感のあるものが多いですよね。
先日見た製薬会社の広告は、整腸剤の広告だったのですが、女の人が中央に笑顔で立っていて、その横に大きな文字で「出ました! 大腸のこと考えたこの薬。」とか書いてあって、私は頭を抱えてしまいましたよ。どういうセンスなんだ、この広告作った人って・・・。私がいちいち細かいこと気にし過ぎかと思ってましたが、仲間がいて良かったです(笑)
よこやま
>うさギッロさん
それ、見てみたいです! うさギッロさんの青春ポエム!!!!
もう残ってませんか?ほんの数ページでも。あー、読んでみたい!
うさギッロさん、今度引っ越しする時あったら私手伝いますよ。
青春ポエム、またどこかから出て来ないか期待して(笑)
まろろん
こんな素敵な絵がごみにまぎれてたんですか?やっぱりごみ拾いに行けばよかった(笑)
暗い時代を超えて、今のジャムサンドさんがいるんですね。
わたしもありましたよ。25歳くらいかな。退廃的で、自虐的な時代が。暗い扉を開けられなくて、もがいていた時代が。
今ではすっかりのほほん人間ですが(笑)
人間、そうやって深みを増すんです。きっと^^
ken E Bee
横山さんの絵は、それを見て、横山さんのものであるとすぐにわかります。このような画風のものは、世の中あるにはありますが、横山さん独自の心がそこに表れています。それは、実はめったにないことだと思います。単なる「絵」と、「作品」と呼べるものの差は、そこにしかないです。そこにそのひとがいるか、いないか、だけです。是非、もっともっと描いて、それを露出していってください。影ながら応援させていただきます。
というわけで、活版制作のためのデザイン・レイアウト、よろしくお願いします。公房、もし時間があったらいっしょにゆきましょう。けっこう面白そうです。
よこやま
>まろろんさん
20代半ばぐらいって、やっぱりいろいろ悩んだりする時期ですよね。その当時は今より繊細な部分があったので(笑)、今となっては些細なことにも心を痛めてました。当時は苦しかったのですが、やっぱりああいう時代があってこそ今があるんだって思いますね。人間として深まったかどうかわからないのですが(笑)。
まろろんさんもそんな時代があったんですね〜。そういうこと経て、人それぞれ成長していくんですね。今のまろろんさんの、ふんわかした雰囲気、素敵だと思いますよ。
よこやま
>ken E Beeさん
Kenさんにそんなこと言ってもらえて、すごくうれしいです!
この絵描いた頃は、「こんな画風なら、同じような絵描く人いっぱいいる」って思って、自分の個性が何なのかわからなくなっていたのでした。でも年を経て、どんなしょぼい絵でも、やっぱり自分の絵・・・って思えるようになってきました。「作品」と呼べるには、まだまだ力足らずですが。上手下手ではなくて、誰かの記憶に残る絵を描いていけたらなぁって思ってます。とにかくもうちょっと作品の数こなさないとダメですね。がんばります。
活版印刷、楽しみです! 時間やりくりして、工房必ず行くようにしますね。
たぬ子
なんて、哀しい絵なんでしょう。
そして、なんて素敵な絵なんでしょう。
その当時のよこやまさんのお気持ちが、
しっかりこめられていますね。
よこやま
>たぬ子さん
こんなところに遊びに来てくださって、コメント残してくださって、
本当にありがとうございます! とても光栄です。すごくうれしいです。
たぬ子さんに褒めていただけたので、この絵大事にしようと思います〜。