いくつか締切が重なっていて、そのうち一つが、やっとさっき山を越えた感じ。原稿を届けに行って、事務所に戻ってひと呼吸したら、どっと疲れが出てきた…。昨日はちょっとしか寝てないので早く帰りたいのだけど、なんだか腰を上げるのも面倒で、事務所で一人ぼ〜っとしてしまった。
そんな静かな時間を過ごしていると、突然また絵を描きたい衝動が込み上げてきたりする。今日の夜はなんとなくそんな気分。でもどうしたってそんな時間を作れそうにないから、あきらめるしかないのだけど。
ふと思い出して、事務所に置いてあった絵をスキャンしてみました。大きい絵なのでほんの一部分だけ(作品全体はこんな感じ)ですが。この絵を最初に描いたのは今から15年くらい前。大学新卒で会社に就職した年の夏に、たくさんの鬱々とした思いを抱えながらこの絵に取り組みました。展覧会に出品したときの最初のタイトルは「此処でないどこか、今でない何時か」という大げさなもの。意気込みは充分すぎるほどあったのに、結局うまく仕上げられなくて、それから何度か書き直したりして、ある程度納得のいく形に仕上がるまで5年くらいの月日を経ました。最初の構図に失敗があったり反省点も多いのだけど、自分では今でも結構気に入っている作品の一つです。この絵が一番いいって言ってくれた人も、今まで多かった気がします。
ここ数年は絵を描くと言っても仕事のイラストばかり。何の冒険もなく、時間もかけていないから、自分でも思い入れできる作品が少ないのです。なんて今更言ってみても、ちゃんと絵に向き合ってこなかったことへの、ただの言い訳かもしれませんが。またいつかあんな風に、じっくり時間と手間をかけて作品に取り組んでみたいなぁって思う。切実に…そう思います。
モリシー
一部より作品全体図のほうが全然イイです!
びっくりしました!色使いが素敵です!
30X90って結構大きいですよね。実物を見たら絵に吸い込まれそうな感じです。。。
本や映画とかからインスパイアされて、その作品をイメージして絵を描かれることってあったりするんでしょうか?
ヒラコ
何やら、ちょっと懐かしい気がする、空の雲と地平線、、。
よこやま
>モリシーさん
うれしい感想ありがとうございます!
この絵は額を入れると1メートルもあって、置き場所にとても困ります。。。
しばらく押し入れに置いといたりしていたのでカビにやられてちょっと悲しいです。
本や映画からインスパイアされて絵を描くこと、たくさんあります。
むしろそうやってイメージをふくらませるケースがほとんどな気がします。
イマジネーションの豊かな物語を読むと、絵として視覚化したいと思ってしまうんですよね。
映画の1シーンから刺激受けてを描いた絵も多いんですよ。
>ヒラコさん
鳥取の風土はだいたいこんな感じでしたかね〜(笑)。
・・・なんて、こんなこと書くと、
鳥取はやっぱり地平線まで砂丘が広がってるところだって、
良からぬ誤解が広がってしまいますね。
(ヒラコさん、↑のモリシーさんも同郷の方です♪)
自分の原風景みたいなものを模索して、この絵を描き始めた気がします。
だいぶ昔なんで、もう忘れてしまいましたが・・・
otoara
向こうには 何があるのか 誰がいるのか
背後には 何があったのか 誰がいたのか
見守ってくれる人 支えてくれた人 待っててくれる人
追いかける夢 つかめそうな心 求めている想い
求められている想い…
今 ちょっと休憩中? それともこれから歩き出すの?
誰かを待ってるの?
それとも あなたを待ってる人がいるの?
自分と重ねてみては 自分に問いかけてみている。
よこやま
>otoaraさん
素敵なメッセージありがとうございます。
そんな風に絵と対話してくださると、作者としてはこの上ない喜びです。
私も絵を描きながら、ときどきその作品の世界と対話してみたりします。
自分の絵にたくさん語りかけをして、対話をたくさん重ねる作業ができたりすると、
結果としていい絵に仕上がることが多いようです。
作者の手を離れて作品がどんどんいろんな人の心に住み着いてくれたらなぁって
私も絵を描く人間の一人として、そう願ってやみません。
モリシー
想像力の乏しい私にも、ごくたまに情景が手に取るように浮かんでくる作品に出会えることがあります。
溝口健二の映画は古いモノクロなのに、色彩を感じますし、小説でもすごいイマジネーションが膨らむことがあったります。
よこやま
>モリシーさん
溝口健二・・・恥ずかしながらまだ観てないんですよね。
ちゃんと観てみようと思いつつ、なぜかぽっかり抜け落ちてて。
今度レンタルかなんかでチェックしてみますね。
私はシュペルヴィエル(ウルグアイ生まれの詩人)の小説にとてもイマジネーションを刺激されます。機会あったらぜひ手に取ってみてください。