ネットのニュースをチェックしてたらこんな記事がありました。
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「日本のアニメや映画を世界に発信・政府、今秋にも推進会議」
政府は文化交流を通じて日本への理解を深める「文化外交」を進めるため、今秋にも関係省庁や有識者でつくる文化外交推進会議(仮称)を設置する。日本と関係の深い中東・東アジアに重点を置き、世界を引きつける日本のアニメや映画、食、ファッション発信、芸術家の日本滞在支援といった政策を展開する。
小泉純一郎首相の私的諮問機関「文化外交の推進に関する懇談会」が11日まとめた報告書に盛り込んだ。首相は同日の会合で「眠っている日本の魅力を世界に発信していきたい」と述べた。
推進会議は(1)海外での日本語普及に向けた人材育成や教材開発(2)日本アニメや映画を発信する日本ポップカルチャー年の創設(3)外国人芸術家の卵を招き、住居や創作の場を提供する「アーティスト・イン・レジデンス」推進—などを検討する。(NIKKEI NET 2005/7/11)
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政府が何をしたいのか、この記事からはさっぱりわかりませんねぇ。日本の漫画、アニメーションの評価が世界で高まっているからそれらを文化資産として育成・推進したい、というのならわかる。ただそれをわけのわからない括りに入れて、「文化外交」として政策に掲げるのは、いかがなものでしょう? 「日本の映画、アニメ、食、ファッション」を意味もなく羅列してるところも笑ってしまうし、さらに「日本ポップカルチャー年の創設」という発想には、もう血迷ってるとしか思えない。なんで今さら“ぽっぷかるちゃ〜”を旗印にしなきゃいけないの? ポップカルチャーってそんなに価値のあるものなの? そういう枠組みでしか、日本の漫画やアニメーションは評価されないわけ?・・・などなどいろんな疑問が込み上げてくる。
まぁ結局そんな中身の論議はもともとどうでもいいことで、「外国人芸術家の卵を招き、住居や創作の場を提供する」という部分が本来の目的なんでしょうかね。またそういう施設、箱ものをつくりたいのかなぁ、って感じで。あぁ、うさん臭い話。「日本のアニメや映画を世界に発信」したいと本気で考えたい人たちは、せめて「アニメ」じゃなくてちゃんと「アニメーション」って記述してほしいって、私は思うんだけど。
あるいは、キティちゃんの着ぐるみでサミット行くとか。。。そういう本気を見せてほしいなぁ。
ヒラコ
何だか、地べたに足がついちょりませぬな、、という感じですね。
今のわたし達の政府は、見た目派手っちい心地良ろしいネタは、とってもお好みな様子、、。
まずは、本当の意味で「文化資産として育成・推進」というのなら、、と、わたしも思います。
ミナ
キティちゃんの着ぐるみでサミット!!
いいですねぇ!
文化外交という響きに白々しさを感じますね。4文字にすれば良いってもんじゃないのよ!と思います。広告代理店の斬新な企画みたいに外交するのは止してもらいたいです。
そもそも日本国内の児童は文化というものに触れる時間があるのでしょうか?児童だけでなく大人は?国内で文化を保存、継承していかなければ、輸出も出来ないでしょう。
以前、有松絞りの有松へ遊びに行った時、町の活気のなさにがっかりしたことがありました。有松絞りって素晴らしいんです。こういうのって目を向けるヒト少ないんでしょうかね?
サミットに着物で行ったりすればいいのに。たまには。
よこやま
>ヒラコさん
本当に地べたについてない話ですよね。日本の漫画やアニメーションが何故評価されているのか、実際はどう評価されているのか、そういう検証を抜きにして、「文化外交」とかに掲げるのは困ったものです。「アニメってのが、なんか海外で受けてるみたいですぜ。よくわからんけど利用しちまいましょう」ってノリで話が進んでるんでしょうね。で、どこに助成金を出そうかって話になったら「やっぱ、ジブリでしょう!」なんて話になりそうで(笑)。既に充分お金稼いでるところに国がお金出したりするんだから、この国の文化政策って笑ってしまいますよね。韓国のように、「映画」を国の重要な産業としてきちんと位置づけて、人とお金を割り当てていくやり方を、この国も見習ってくれたらなぁって思います。
>ミナさん
首相さまのお言葉の「眠っている日本の魅力を世界に発信していきたい」という前に、今死にかけている国内の伝統的な文化を、どうやって継承・発展させていくのかも、真剣に考えてもらいたいですよね。国の政策だけでなく私たち自身の課題でもあるんだけど、これからの子どもたちに、国内の優れた文化資産と直に接する機会をつくっていけたらなぁと思います。知るのと触れるのと、やっぱり違うものだと思うし。
私が最初に勤めたのは紙の会社でした。その会社が主催した企画展で「世界の手透き紙」という展示があって、そこで触った手透き紙の質感の素晴らしさに感動したのがきっかけでした。そして世界の優れた手透き紙の中で、日本の和紙の素晴らしさはずば抜けていると感じました。そういう文化を残したい…というか発展させていきたいですね。美術館に展示されるものとしてではなくて、実際の生活の中で生かしていけたらなぁって思います。
seiji
「文化外交の推進に関する懇談会」はまたお食事会かなんかじゃないですか?
為政者がポップカルチャーを推進するって。。。意味がわかりません。
勝手にX-JAPANでも聴いてろよって感じ。
でもぼくたちにまでおしつけるな。
市民を思考停止にさせようという意図が働いているとしか思えません。
ぼくはむつかしいことはよくわかりませんが、そういうことを話し合う前に自衛隊をイラクから帰国させろよ、といいたいです。
よこやま
>seijiさん
国がポップカルチャーを推進するって、ホントにナンセンスですよね。それじゃポップカルチャーではなくなるんだから。国のお墨付きがついた文化なんて、みんな骨抜きになって腐っていくのが成り行きな気がします。
http://219.99.160.87/~pppam/p-project/
↑「ポップカルチャー政策」なんてことを掲げてる人たちがいるようだけど、レポートを読んでみても違和感ばかりが募ります。「ポップカルチャー」という言葉自体に、私はどうしても引っかかってしまうのです。ちいさなことにこだわりすぎてるのかもしれませんが。
いつの間にか自分自身でものを考える隙間をどんどん埋められてしまって、気づかぬうちに思考停止に陥ってしまう・・・という状況には陥りたくないし、加担したくもないですよね〜。