中野ブロードウェイの小さなDVD屋さんに立ち寄ったら、『ピーター・ウィアー DVD BOX 1』なるものを発見して大興奮。オーストラリア時代に撮った貴重な4作品が収録。何と言っても、私の一番好きな映画の一つ「ピクニック at ハンギング・ロック」(永く廃盤になっていた)が収録されたことに感激!!!! もう舞い上がってしまって、衝動買いしてしまった。定価15,750円はかなり痛かったけれど・・・。
ピーター・ウィアーは私のもっとも好きな監督の一人・・・でした。過去形になってしまうのは、近年の作品がどれもちっとも面白くないから。そもそもハリウッドに入ってからの作品はどれもぱっとしない。「刑事ジョン・ブック 目撃者」だけは別格で、素晴らしい作品だった。「グリーン・カード」も、とても後味のいい作品。でも、もっともっといい映画が撮れる監督だと、私はまだ信じてるのだけど。
このBOXは、あえてオーストラリア時代の作品に限定したところがすばらしいと思う。オーストラリア時代のピーター・ウィアーの作風は、非常に難解でストーリー展開に起伏もないから、正直とても取っ付きにくい。でも独自な映像センスが際立っていて、作者が何を言いたいのかわからないまでも、とにかく印象に深く残るものだった。
私は映画を評価する上で大事なのは、その映画を「理解」できるかどうかではなく、その映画を観ることが自分の内でひとつの「体験」になり得るかどうか、にかかっていると思う。そういう意味で、ピーター・ウィアーの作品の出会いは私にとって、とても大きな出来事だった。もう15年くらい前のことだけど。今でもその時の印象を思い出すと身体がゾクゾクするようだ。劇場ではなくDVDで、それが再現できるかわからないのだけど・・・でもこのBOXは私にとって、間違いなく、宝物のひとつになるでしょう。